熱中症に注意しましょう!
みなさんこんにちは!やさか動物病院です!
今回はこれからの時期に気をつけていきたい熱中症についての話題です。
6月に入り、徐々に気温が高くなってきましたね。これからの季節、熱中症に気をつけましょうという話はニュースなどでよく耳にしますが、動物でも熱中症が起こり得るということを知っていますか??
熱中症は人でも身近な疾患のため、イメージはつきやすいかもしれません。人での熱中症については重症度の分類がされており、軽度のⅠ度から入院が必要なほど重症のⅢ度まで、大きく3つに分けられています。これを動物の熱中症に当てはめてみると、病院に来院する多くは人における最重症のⅢ度の熱中症であることがほとんどとされています。そのため、動物が熱中症になってしまった場合は、お家で体を休ませて様子を見てくださいというレベルでは済まず、集中治療が必要となることが多いのです。
そんな危険な疾患である熱中症からワンちゃんやネコちゃんを守るために熱中症が発生しやすい環境や状況についてお話ししたいと思います。
人では気温や湿度、風、日射などの気象条件などを組み合わせて暑さ指数というものが作られており、これが熱中症リスク予測の一つとして使われています。もちろん動物でも気温や湿度などは大切な目安となるのですが、お散歩に出かけることのあるワンちゃんでは地面の温度も気にしてあげる必要があります。真夏のアスファルトは50℃〜60℃くらいまで熱くなると言われており、人よりも地面に近いワンちゃんたちはより暑く感じている可能性が高いのです。アスファルトは冷えるまでに時間がかかるので、お散歩の時間は日が暮れてから数時間後にしてあげたり、出来るだけアスファルトを避けたお散歩コースを歩いてあげてください!またお散歩時に限らず、いつでも新鮮なお水が飲めるようにしてあげることも大切です!
また、天気の良い日に車で一緒にお出かけをする方もいらっしゃるのではないでしょうか?そのときにどうしても車の中にワンちゃんやネコちゃんを置いていかないと行けない場合があるかもしれません。JAFが公表している実験データによると8月の車内温度はサンシェードを使用したり、窓を3cm開けておいたりした場合でも45℃〜50℃まで上がってしまうことが分かっています。どうしても車にワンちゃんやネコちゃんを置いて出ないと行けない場合は、エアコンを作動しておいてあげることで熱中症のリスクを減らすことができます。
また、ワンちゃんの中には熱中症になりやすい犬種もあります。例えばフレンチブルドッグやパグなどの短頭種と呼ばれる犬種やラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバーなどの犬種が挙げられます。この他にも、犬種に限らず、少し太り気味の子は体温が下がりにくいため、熱中症になりやすいと言われています。また、人では高齢の方の方が熱中症のリスクが高いと言われていますが、動物ではあらゆる年齢で発症し得ることが分かっています。そのため、たとえ若い子であっても熱中症には十分気をつけてあげてください。
万が一、熱中症の症状が見られた場合は
- 首や腋、股の間などに氷嚢を挟む
- 濡らしたタオルで包む
- 扇風機などで冷風を当てる
などの処置をしましょう。
また、来院までの時間が長いほど予後が悪くなってしまうという報告もあるため、出来るだけ早く病院に連れて行ってあげることがとても大切です。
熱中症の主な症状としては、
- 口を開けていつも以上に激しくハァハァと息をする
- 意識が朦朧としてぐったりしたりする
などがあげられます。このような状態が見られた場合にはすぐに病院に相談してください!大切なワンちゃんネコちゃんを危険な暑さから守り、これから訪れる暑い夏を一緒に乗り越えていきましょう!